この記事では、ChatGPT有償版(GPT-4。2023年10月時点の)で、プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ論文を書くことができるかを取り上げてみます。
ChatGPT有償版(GPT-4)を使えば、プロジェクトマネージャ試験の合格論文を書けるんじゃないの?
結論としては、「少なくともそれなりのプロンプトを指定しておかないと、合格レベルの論文は書けません。評価としてはBランク程度」です。
この主な理由は、以下です。
- 基本、1000文字程度くらいまでしか出力できない。
しかし、以前書いた投稿(ChatGPT無償版(GPT-3.5))と比べると、だいぶいい感じです。ChatGPT無償版(GPT-3.5)とChatGPT有償版(GPT-4)を比べると、大きな差は以下です。
- ChatGPT無償版(GPT-3.5)だと、設問ア→設問イ→設問ウの繋がりを作れなかった。ChatGPT有償版(GPT-4)では特に指定しなくても繋がりを作ってくれる。
- ChatGPT無償版(GPT-3.5)だと、具体性を高めるための定量的な表現をあまりしてくれなかった。ChatGPT有償版(GPT-4)では特に指定しなくても定量的な表現を入れてくれる。
- プロジェクトマネージャ未経験者や、IPAの高度試験の論文未経験者から見ると、ChatGPT活用には大きなメリットがあります。それは、「合格論文のタタキとしては十分。1時間くらい修正すれば、経験ゼロからでも合格レベルの論文を作れる」ということです。この部分は追って記事にします。
試しにプロジェクトマネージャ試験 令和4年 問1 設問アのサンプルを書いてもらいました。ChatGPT有償版(GPT-4)
ChatGPT有償版(GPT-4。2023年10月)に書いてもらったサンプル論文
設問ア
私が携わったシステム開発プロジェクトは、eコマースプラットフォームの機能拡張を目的としていました。このプロジェクトの主要目的は、ユーザビリティを高め、ユーザーのショッピング体験を向上させることでした。途中で計画変更の要求を受けた背景には、競合他社がAIを用いたパーソナライズドショッピングアシスタント機能をリリースしたため、事業環境が急速に変化しました。我々のプロジェクトチームは、外部ステークホルダからの計画変更要求を受け、新機能の追加を進めることとなりました。ステークホルダーは、既存ユーザーを維持し、新しいユーザーを引き付けるために、我々も同様のAI技術を取り入れた機能の開発を前倒しで行うべきだと提案しました。(309文字)
設問イ
計画変更の要求を受け、私たちは複数の対応策を策定しました。まず、機会を生かす対応策として、AI技術に精通した新メンバーをプロジェクトチームに迎え入れることを決定しました。彼らの専門知識を活かし、最先端のパーソナライズドショッピングアシスタント機能を開発しました。次に、脅威を抑える対応策として、開発スケジュールを見直し、リソースの最適化を図りました。新機能の開発に伴う追加コストを最小限に抑えるために、一部機能のリリースを延期しました。計画変更内容として、新機能の開発を優先し、その他の機能のアップデートは段階的に実施する新しいスケジュールを確定しました。これにより、競合他社に対する差別化を図り、ユーザー体験の向上を図ることができました。(320文字)
設問ウ
計画変更の実施はスムーズに進み、予定していたリリース日に新機能をローンチすることができました。新しく加わったAIエキスパートたちの貢献により、私たちのプラットフォームは、ユーザーに向けて個別化されたショッピング体験を提供することができました。結果的に、新機能のリリース後、ユーザーの滞在時間が20%増加し、コンバージョン率も15%向上しました。一方で、他の機能のアップデートを遅らせたことが一部のユーザーからのフィードバックで問題視される事態も発生しました。これらのフィードバックを基に、今後のプロジェクト管理においては、全てのステークホルダーが納得する計画変更のプロセスを再評価し、改善していく必要があると感じました。この経験は、将来的なプロジェクトマネージメントにおいて、計画変更に伴うリスクとオポチュニティをどうバランス取りするかの重要な教(373文字。ここで文字数制限のせいか、途切れる)
採点すると「B」ランクくらい
私は都内の上場IT企業で、プロジェクトマネージャ試験対策の社内勉強会を2016年から主催しています。その活動の中で午後Ⅱ論文の添削をやっています。年40本として、合計で250本は添削しました。
その感覚と照らし合わせると、試験の採点方式であるABCDランクでいうと「B」を付けたい、というところです。もっと言うと、「惜しい。B+」という感じです。
まとめ
ChatGPTは、IAPの論文試験において、絶対に使えるものになりそうです。むしろ、2025年くらいには、ChatGPTを始めとする文章生成系AIを使うのが当然となりそうです。そうなったら、生成系AIを使わない人は間違いなく相対的に見劣りする論文になりそうです。
引き続き、ChatGPT(無償版GPT3.5や有償版GPT4)やMicrosoft Bing AIを調査したいと思います。特に、出力する文字数をプロジェクトマネージャ試験に合わせて3000文字程度で返せるようにしたいです。
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